小児慢性特定疾病児童等自立支援事業は、愛媛県・松山市より受託しています。

(089)916-6035

赤鼻の先生こと副島賢和先生講演会 「子どものニーズの捉え方」

2018年9月9日(日)、「地域子どものくらし保健室」プロジェクト第1回研修会として、
“赤鼻の先生”こと昭和大学大学院保健医療学研究所 准教授・副島賢和先生の講演会が開催されました。副島先生の話・・・すごーく心に響きました。個人的に心に残ったところを中心にグラフィックレポートしていきますね。

副島先生は・・・2006年より品川区立清水台小学校さいかち学級(昭和大学病院内)を担任。2014年より現職に就かれています。ホスピタルクラウン(病院で心のケアをする道化師)としても活動されていて、赤鼻をつけて子どもたちと接する姿が注目を集め、日本テレビドラマ「赤鼻の先生」のモチーフにもなりました。2011年には、NHKのプロフェッショナルにも取り上げられました。

病気を抱えた子どもたちに教育は必要なのか?

副島先生が公演の最初に投げかけた質問がこちらです。「病気を抱えた子どもたちに教育は必要なのか?」元気な子どもには「勉強しなさい」と強く言うけれど、病気の子どもには「病気なんだから休んで」「入院している今ぐらい、ゆっくりしたら」って言ってしまいがち。それは、子どもにとって本当にいいことなのでしょうか?

副島先生は、「学ぶことは生きること。遊ぶことと同じぐらい子どもにとって大切」と言います。病院に入院している子どもが院内学級に通うのは、ほんの少しだけの時間。1週間かもしれないし、3日かもしれない。でも副島先生は「たった1日でも、1時間でも、すれ違っただけでもやれることはある」と言います。

病院にやってくるのは、心を閉ざしている子も少なくありません。そんな時、副島先生は、Safety(安全・安心)、Challenge(選択・挑戦)、Hope(日常の保障・将来の希望)を大切にしながら子どもに関わっていると言っていました。

なぜ安心でないといけないのかというと、「五感を発揮してもらうため」です。子どもは安心すると心を開きます。そして活動をしていきます。安心してもらうた目にまずは自己紹介カードを活用するそうです。

病気によって奪われるものはたくさんあります。安全感・自由・感情・その子の時間・関わり・愛着形成・教育・自主性etc…。そんななか、子どもが教育にふれることでエネルギーをためられるように。持って変えるものができるように。子どもが子どもでいられるように、副島先生は教育をします。

心の声を伝えられない子どもに

心の声を閉じ込めてしまって、自分の感情を表に出せない子ども。本当は助けを求めたいのに、うまく伝えられなかったり、無意識に隠してしまったり。そんな子どもにはどう接したら良いのでしょう。

まずは、「無理に言語化させないこと」が大切。大人は、すぐに「なんで○○しちゃったの?」とか「ちゃんと言いなさい!」って言ってしまいがちですよね。私はよく言ってしまいます・・・。まずはメッセージを受け取ることが大切。言葉にしていなくても表情だったり、動きだったりで、子どもはちゃんと発信しています。

では、子どもの話を聴く時にどうすればいいのか?副島先生は「あいうえお」で話を聞くコツを教えてくれました。

あ・・・相手を見て

い・・・一生懸命

う・・・うなずきながら

え・・・笑顔で

お・・・終わりまで

これさえマスターしておけば大丈夫です。子どもと接するときに注意しておかないと行けないのは、この2つ。

・ないはずのないものがあるとき

・あるはずないものがあるとき

この二つに注意しながら、子どもの内的世界を受け取りましょう。

感情に「良し悪し」はありません。どんな感情も大切にすればいいんです。でもその感情を表に出しすぎて人との関わりがうまくいかなくなったり、出さなさすぎて閉じこもってしまったり。感情の出し方には注意が必要です。副島先生は「受容はするけれど許容はしない」という言葉を使っていました。感情を持つことに対しては、全て受け入れる。でも、出し方には工夫が必要ということですね。そこをそっとサポートするのが大人の役割なのかもしれません。「受け入れてくれる人がいる」と感じると、子どもは心を開きます。あとは伝え方を学んでいけば、コミュニケーション力も育っていくはずです。

 

そこにいるだけで素敵だよ

心を閉ざしてしまう子どもは、自分に自身が持てていないケースが多いです。自分を自分で認めてあげられなかったり。感情を出しちゃダメだって思い込んでいたり。そういう子どもには「そこにいるだけで素敵だよ」と伝えることが大切なんです。

助けて!って言っていいい。

失敗したっていい。

あなたはあなたのままでいい。

今日という日は誰にとっても初めての日だから。

命が短いと言われた子どもがいたとして、教育ができることは?

・楽しい時間

・日常

・生きている証

を提供すること。この三つは、命が短い・長いに関わらず大切にしていることです。「わからない」ことから始めたらいいんです。人の感情なんて、誰にもわからない。わからないから寄り添おうと思うことができるのです。

最後に、一番大切なこと・・・。子どものケアで一生懸命なお母さんへ。子どものことも大切だけど、まずは自分を大切にしてください。自分の感情と仲間と時間と空間を大切にすることで、子どものことも大事にできます。まわりも大事にできます。そのことを忘れないでいてください。

たくさん大切なことを伝えてくださった副島先生、本当にありがとうございました。

最後に、赤鼻がお似合いの保健室メンバーの写真も載せておきます♪

ありがとうございました!

寄付のお願い

正会員・後援会員としてご協力いただきますよう、お願い申し上げます。

地域子どものくらし保健室

地域の中で慢性疾患や難病をもつ子どもとその家族が生き生きと生活するためには、医療と福祉が連携し、よろず相談から医療的ケアまで相談できる難病の子ども専門のハブ拠点が必要です。
「地域子どものくらし保健室」は様々な機関と連携し、相談業務を行う事を主な目的としております。

地域子どものくらし保健室ロゴ

Contact us

〒790-0813 
愛媛県松山市萱町4丁目7-2 カネ宮ビル1階
lafamille@cc-sodan.jp
089-916-6035
089-916-6035

※地図をクリックすると拡大します。
※Googleマップはこちら